草花

クレオメ栽培によるアザミウマ防除

農業を営む上で厄介なことと言えば、害虫の発生だと思います。

農薬散布しても防除し切れないこともありますし、農薬散布ばかり行っていると薬剤耐性害虫の発生を促進してしまうなど問題も多くあります。

そこで注目されている防除方法が、「天敵」による防除方法です。

天敵であれば薬剤耐性がついてしまった害虫にも効果があります。

また、ネオニコチノイド系の農薬の使用がミツバチの大量失踪に繋がっているという情報もあり、天敵の活用が重要視されているように思います。

天敵の有名所はアブラムシに対してはテントウムシではないでしょうか?

テントウムシはアブラムシをばくばく食べてくれます。

なのでテントウムシを畑で見かけたら大切にして下さいね。

農薬として扱われているテントウムシは羽を持っていないものもありますので同じ植物体で成長していくので安定した防除効果が期待できます。

その他にも様々な天敵が存在しますが、

今日は、天敵防除の一つであるクレオメの利用方法について書きたいと思います。

クレオメ

みなさんはクレオメという花を知っていますか?

 

クレオメ
茎頂部にこのような綺麗な花を咲かせます。

 

クレオメとはフウチョウソウ科の花、猛暑でも耐えて綺麗な花を咲かせることで有名です。

北海道では、広大な土地を生かしてクレオメをライン状に栽培。

綺麗な景観を楽しめるようになっています。

https://epoch.jp/jp/travelogue/puzzle/detail.php?id=143

い、行ってみたい。。。。。

 

そして、このクレオメを栽培することでアザミウマ等の防除にもなるのです。

それはなぜか。

クレオメを植える事で、クレオメを食べて繁殖するタバコカスミカメが増殖するからです。

アザミウマ類を食べてくれるタバコカスミカメ

タバコカスミカメは、土着天敵としてゴマを栽培することでよく発生し、昔から天敵の利用として使用されていましたが、最近の研究では、ゴマだけでなく、クレオメでも増殖が可能であることが分かっています。

ゴマとの大きなの違いの一つは、混植が出来ることだと思います。

ゴマの場合、タバコカスミカメが増えるのは良いのですが、ゴマが好き過ぎて、アザミウマが発生してもアザミウマ退治に行かず、ゴマに居座ることがあるのです。

それでは意味がない!

なのでゴマの場合はゴマを株ごと切り倒し、対象となる作物の株元に置く必要があります。

その作業は手間ですし、ゴマが無くなるので安定してタバコカスミカメが増殖しなくなってしまいます。

また、ゴマは雑草化しやすいので注意が必要です。

一方で、クレオメであれば、クレオメ単体でタバコカスミカメ が増やせるだけでなく、対象作物にアザミウマなどの害虫が来れば、しっかり飛んで行って退治してくれます。

タバコカスカメ

( 出典:農林水産省Webサイト)

こちらがタバコカスミカメです。

これはおそらくナスの葉にいる写真だと思うのですが、ナスにいるアザミウマを捕食しているのだと思います。

ある程度タバコカスミカメが増殖したら枝を落とし、被害にあっているナスの株元に置くと

餌であるアザミウマの方に行って捕食を開始するという仕組みです。

クレオメ、ナスの株元

枝を落とさずに防除する場合は、ナスを栽培しているハウスに何株かクレオメを植えておけば、クレオメでタバコカスミカメを増殖させつつ、アザミウマが発生した場合には捕食しに対象作物に飛んで行ってくれます。

農薬にめっぽう弱いのが欠点なので農薬を使用しながら複合的に防除する場合は注意が必要です。

 

是非クレオメ栽培を実施して見ませんか?

農薬を使用せずに栽培したい!という方には特にオススメです。

また、景観も良くなり、草丈も高いので圃場の周りに植えつけてもいいかも知れません。

繁殖方法も簡単で、わき芽を取って揷し木しておけば簡単に増えるのも特徴です。

クレオメのわき芽

このわき芽をポキっと折って、ポットに植え付けると簡単に増えます。

その時、あえて培養土ではなく、そこら辺の土の方が活着が良いようです。

クレオメの苗

もちろん種での増殖も可能です。

天敵を有効に活用して害虫対策してみませんか?

農薬だけに頼らないっというのがポイントです。

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