どうも農トラ育です。
全国の農業高校には、農業クラブ活動というクラブ活動があるのをご存知ですか?
農業クラブ活動は3大目標である
- 科学性
- 社会性
- 指導性
を育むために農業高校に所属する生徒が様々な活動することです。(詳しくは全国農業クラブHPへ)
その中でも特に大きな活動がプロジェクト活動だと思います。
Contents
プロジェクト活動
プロジェクト活動は、日々学習の中で得た気づきや興味のあることについて研究し、発表する活動です。
この活動は県大会、ブロック大会、全国大会があり、農業クラブ員(農業高校の生徒は全員クラブに加入)は全国大会最優秀(優勝)目指して日々頑張っています。
研究内容は、例えば
- スマート農業 VS 慣行農業 収量が高いのはドッチ?
- 桃太郎(トマトの品種)において糖度を最大限まで高める水分量の研究
- 多肉植物による園芸セラピーの効果の実際
- 雑草とは呼ばせない、スギナの美味しい加工方法
などなど、生徒が興味のある分野を研究することができます。
私自身は普通科高校出身ですので、このような大会が行われていたことは知らなかったので、農業高校の教員になって初めて知りました。
初めてプロジェクト活動の発表会を見たとき、「高校生でもこんなに素晴らしい研究をしているのか!」っと感動したのを覚えています。
スライド作成スキルや発表の態度も素晴らしく、大学生顔負けなのでは?っとも思いました。
しかし、この素晴らしい取組には裏があったのです。
教員のためのプロジェクト発表になってないか?
生徒の「科学性・社会性・指導性」を伸ばすことを目的とする活動のはずですが、実際に主導で研究を立案したり、スライドや資料を作成しているのが教員であることが多いと思います。
もちろん、本当に生徒が主導でやっている研究もあると思いますが、少数ではないでしょうか。
生徒の活動なんだから生徒の主体性に任せ、教員はアドバイザー的立場にあるべきだと私は考えているのですが、農業クラブの闇の深いところには、農業クラブ活動の成績が教員の評価にも繋がっていることだと思います。(個人的見解です。)
高校生が綺麗なスライド作るんだな。っと感心していたスライドも教員が夜な夜な作ったスライドだったのです。
私が以前務めていた自治体でも同じように教員が主となって活動していたので、全国でも同じようなことが起こっていると思います。
これにより、生徒が身につくはずの力は半減以下になり、教員の仕事量は倍以上になります。
この活動を教員が奪ってしまうことによって農業教員のブラック化が進み、生徒も言われた通りにしか動かない人間に成長してしまう気がするのですが。。。
部活動で教員が頑張り過ぎてしまうのと一緒で、一歩間違えると生徒を置き去りにしてしまうことになりかねません。
あくまで生徒主体の活動であることを忘れず、生徒を導いていって欲しいと思います。
まとめ
プロジェクト発表の活動自体は本当に素晴らしい活動です。
課題解決能力が身につき、発表したり、地域の方々との話し合いの中でコミュニケーション能力も育ます。
教員は前に前に出ることなく、生徒が主体的に活動できることにフォーカスすることが重要です。
それでは県大会やブロック大会などに進むのは難しいかもしれませんが、元々の目的を考えるのであれば、県大会やブロック大会、全国大会に行くよりも活動の内容自体が大切なのは明らかです。
働き方改革にも繋がると思います。
今一度自分の介入度を確認し、一歩引いた指導をしてみるのも良いかもしれません。